こんにちは、
よぴまるです。
村上春樹さんの新刊書『古くて素敵なクラシック・レコードたち』は、村上さんの感性が素直に表現されていて面白い本です。
しかも、音楽評論家ではないので、レコード会社にも忖度なしの表現で世間の評判とは真逆の評価をしているところがまた面白いです。
それが顕著で出ているのが、ベートーヴェンの交響曲第6番「田園」です。
あの歯に衣着せぬ表現で、独自の評論で知られる故宇野功芳さんも「田園」に関しては、ブルーノ・ワルター指揮コロンビア響とカール・ベーム指揮ウィーン・フィルを推薦盤としています。
ただ、村上さんに掛かるとこんな世評とは関係ないところでお気に入りのレコードを取り上げています。
まず、村上さんがワルター盤とベーム盤にどういうコメントをしているか見てみましょう。
村上春樹 ワルターとベームの田園評
まず驚くのは、もう50年以上「田園」の名盤と誉れの高い、ワルター&コロンビア響盤を村上さんは、最近まで聴いたことがなかったそうです。
録音されて60年以上経ち、村上さんより10歳年下の僕でさえ、中学生の時既に聴いていました。
それを僕よりずっと長いクラシック音楽ファンの村上さんが、やっと最近聴いたと知って、ただただ驚きました。
演奏自体は、とても心優しい演奏と高く評価しています。
一方、ベーム盤に関しては、厳しい表現をしています。
村上さんは、この前の頁で、ベートーヴェンの「運命」を取り上げています。
そこでは、ベーム&ベルリン・フィルを高く評価しているけど、「田園」に関しては、世間の評判はすこぶる良いようだけど、どこがいいのかさっぱりわからない、と記しています。
村上春樹 ベートーヴェン「田園」 おすすめ盤
村上さんが気に入っているレコードは、パウル・クレツキ指揮フランス国立管弦楽団
とエーリヒ・クライバー指揮アムステルダム・コンセルトヘボウ管なのです。
クレツキは、ポーランド出身の名指揮者ですが、ベートーヴェンの交響曲というとチェコ・フィルとの全集が有名で、僕も聴いています。
ただ、フランス国立管との「田園」は、『パウル・クレツキ 芸術』CD33枚組に収録されているようですが、残念ながら現在入手困難なようです。
とりあえず、チェコ・フィルとの全集をご案内します。
ベートーヴェン: 交響曲全集、「コリオラン」序曲、「エグモント」序曲(1964-68年録音)<タワーレコード限定>
クレツキのレコードは、バーゲンで100円で購入したそうです。
聴いているだけで癒される感覚があるそうです。
エーリヒ・クライバー指揮アムステルダム・コンセルトヘボウ管のCDは、僕も持っていますが12枚組で現在Amazon等で入手出来ます。
The Decca Recordings
エーリヒ・クライバー
物腰は穏やかだが、あくまで姿勢正しく、ダレる所は一箇所もない、キリッとしまった演奏です。
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