こんにちは、
よぴまるです。
ベートーヴェンは、第1番を完成後、すぐに第2番の作曲に着手しました。
第1番を初演した1800年のスケッチ帳にはすでに第2番の第1楽章のテーマが姿を見せているのです。
その後スケッチを進め、1802年夏には、ウィーン郊外のハイリゲンシュタットで本格的に作曲を行い、10月ウィーンに戻ってから完成させました。
初演は、翌1803年4月5日、アン・デア・ウィーン劇場で自身の指揮で行われました。
ベートーヴェン 遺書を乗り越えて
ベートーヴェンは、第1番の完成から第2番の作曲へは、けっしてすんなり進んだわけではありません。
この3年間の間にベートーヴェンにとって、生きるか死ぬかの葛藤を乗り越えているのです。
それは、耳の疾病への絶望とそれを乗り越えようとする強い意志です。
ベートーヴェンは、音楽家として致命的な耳に疾患があるわかり、それに絶望して遺書を書きました。
ハイリゲンシュタットから、10月6日に弟のカルルに、10月10日には、弟のヨハンに送っています。
最初の遺書には、耳の病気に絶望して死を決意する内容でしたが、5日後に送ったものは、未来への希望を見出したともとれる箇所があります。
つまり書くことで、心に澱のように溜まっていた苦悩を吐き出し、それが前向きな気持ちにさせたと思います。
元々ベートーヴェンは陽性の人で、とことんやってみようと開き直ったのかもしれません。
その証拠に、この時期に作られた交響曲第2番は、明るく生き生きした曲になっています。
また交響曲として第1番から随所に進化が見られます。
次の第3番”英雄”が、交響曲の歴史を変えた記念碑的作品と言われますが、実はこの第2番には、すでに息吹が宿っていました。
隠れた名曲としてファンも多い曲です。
次におすすめCDを3つご案内します。
ベートーヴェン 交響曲第2番 おすすめ
ブルーノ・ワルター指揮コロンビア交響楽団
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン – Ludwig van Beethoven (1770-1827)
交響曲第2番 ニ長調 Op. 36
Symphony No. 2 in D Major, Op. 36
1.(10:25) I. Adagio molto – Allegro con brio
2.(14:32) II. Larghetto
3.(03:51) III. Scherzo: Allegro
4.(06:52) IV. Allegro molto
total(34:40)
コロンビア交響楽団 – Columbia Symphony Orchestra
ブルーノ・ワルター – Bruno Walter (指揮)
『ブルーノ・ワルター / ベートーヴェン:交響曲全集、ヴァイオリン協奏曲』
80歳を超えた名指揮者ワルターが、生き生きとチャーミングに生命力溢れる演奏を展開しています。
第2番の永遠の名盤だと思います。
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ノリントン指揮ロンドン・クラシカル・プレイヤーズ
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン – Ludwig van Beethoven (1770-1827)
交響曲第2番 ニ長調 Op. 36
Symphony No. 2 in D Major, Op. 36
1.(11:54) I. Adagio molto – Allegro con brio
2.(10:01) II. Larghetto
3.(04:37) III. Scherzo: Allegro
4.(06:30) IV. Allegro molto
total(33:02)
ロンドン・クラシカル・プレイヤーズ – London Classical Players
ロジャー・ノリントン – Roger Norrington (指揮)
ベートーヴェン:交響曲 第2番 第8番 ロジャー・ノリントン
ノリントン1回目の全集から。古楽器ならではの、有機的な響きと愉悦さ抜群の演奏です。
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ハンス・シュミット=イッセルシュテット指揮ウィーンフィルハーモニー管弦楽団
交響曲第2番 ニ長調 Op. 36
Symphony No. 2 in D Major, Op. 36
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 – Vienna Philharmonic Orchestra
ハンス・シュミット=イッセルシュテット – Hans Schmidt-Isserstedt (指揮)
1.(11:22) I. Adagio molto – Allegro con brio
2.(12:36) II. Larghetto
3.(03:52) III. Scherzo: Allegro
4.(06:52) IV. Allegro molto
total(34:42))
ベートーヴェン:交響曲第2番・第4番 ハンス・シュミット=イッセルシュテット 、 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
60年代、名門ウィーンフィルが、初めてベートーヴェンの交響曲全集の録音にあたり、組んだ指揮者は、カラヤンでもベームでもなく、ハンス・シュミット=イッセルシュテット。
敗戦直後、北ドイツ放送響の創設と育成に尽力した質実剛健な指揮者。
録音から半世紀経ったいまでも、CDのラインナップから消えることはありません。
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