こんにちは、
ともやんです。
チリ出身のピアニストの巨匠、クラウディオ・アラウ(1903-1991)。
1903年2月6日生まれなので今日が誕生日です。
幼くして父親を失くしていますが、聡明な母親が幼いクラウディオ君の才能を見抜き、音楽の教育をちゃんと受けさせ、神童と言われ政府から奨学金を受給されベルリンに留学してより高度な教育を受けることが出来ました。
もちろん順風満帆ではなく初めてのアメリカ公演は失敗し、ヨーロッパに帰る費用もないこともあったそうです。
しかし、88歳で亡くなるまで、生涯現役でコンサートや録音に精力的に活動をしました。
アラウ ベートーヴェン ピアノ協奏曲
ベートーヴェンのピアノ協奏曲全集は、計3回録音していますが、デイヴィスとの共演は、なんと80歳を超えてからのものです。
その中から第3番を聴きました。
音楽評論家・宇野功芳氏は、その著書の中でアラウに関して次のようなことを書いています。
アラウが、1965年に初来日したときの演奏は、全く退屈なものだった。
すでに60歳も過ぎているというのに。
そしてその印象はその後20年近くも変わらなかった。
ところが年齢が80歳に達してから突然一流、いや超一流になってしまったのだ。
今日紹介するデイヴィスと共演したベートーベンのピアノ協奏曲第3番も84歳の時の録音なのです。
デイヴィスの伴奏と相まってまさに大船に乗ったような安心感があるのです。
宇野氏は、このアラウの演奏について、小手先の器用さに頼らないからだと書いています。
ぜひ、自分の耳で確かめてみたいですね。
アラウ&デイヴィス ベートーヴェン ピアノ協奏曲第3番
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン – Ludwig van Beethoven (1770-1827)
ピアノ協奏曲第3番 ハ短調 Op. 37
Piano Concerto No. 3 in C Minor, Op. 37
1.(18:06) I. Allegro con brio
2.(11:48) II. Largo
3.(10:18) III. Rondo: Allegro
total(40:12)
クラウディオ・アラウ – Claudio Arrau (ピアノ)
シュターツカペレ・ドレスデン – Dresden Staatskapelle
コリン・デイヴィス – Colin Davis (指揮)
録音: February 1987, Dresden, Germany
ベートーヴェン: ピアノ協奏曲全集, 他<タワーレコード限定> クラウディオ・アラウ コリン・デイヴィス シュターツカペレ・ドレスデン
生誕110年記念盤。アラウ81歳から84歳にかけての録音です。技術的な衰えが気になる訳ではなく、むしろ年輪を重ねた末に生まれた前人未踏の境地を開いた名演奏として、発売以来親しまれてきた名盤の復活です。
アラウにはこの盤を含め3種の全曲録音があり、そのいずれもが評価を受けていますが、最後のこの録音では堂々としていて風格を存分に感じさせる演奏が披露されており、聴く者を圧倒する出来となっています。落ち着いたテンポと確実なタッチ、そして共演のC.デイヴィス&SKDの、重厚でありながらもポイントを見事に押さえた素晴らしい響きにより、トータル・バランスとしても歴史に残る名演を両者は繰り広げています。
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